情嵐 じょうらん


『なにしてるんだよ!』

男の子に追い明けられ、
小石に躓き、擦り剥いた膝に笑いながら手さげ袋を回している男の子達

もう、追い付けない・・・

絶望的になり、ただ声をあげ泣き叫ぶしか出来なかった時、

聞こえた声は先生の声だと思い、
視線を上げれば、仁王立ちになり怒っていた。

何がなんだか解らず、見つめていれば
にっこり笑い、

「ほら」

差し出された手さげ袋を差し出され、
何が起こったのか解らず、差し出された手さげ袋を
手に握らされ、袋と目の前に立つ男の子を交互に見ていれば、

「そんな所に座ってると、汚れちゃうよ?」

あっちで遊ぼうよ。

手を引っ張られ、滑り台へと連れていかれた。

絵本の中に居る、王子様の様に見え、

それ以来、毎日2人で遊び、
いつも一緒にいる様になり、
卒園をしても小学校も一緒に行った。

赤いランドセルが、少し色褪せ、2度目の春が過ぎた頃から
面白半分かわかられ、自分達が異性なのだと解らされた。

自分は女の子で
千石は男の子なのだと・・・


フッと思い出した過去に、
教科書を掴んだまま止まっていた手を動かし、
カバンに詰め込んでゆく。

開放感が溢れている教室からは、話し声が重なり合い
楽しげな雰囲気の中、耳に入ってくる音は、
甘える様に作られた声
特徴のある言葉

何人もの女生徒に囲まれて、楽しそうに話し笑っている人物に、
こっそりため息を落とした。

甘える様に、誘う様に聞こえる声と言葉に、
顔を顰める生徒が居る中、きちんと女を作り出している女生徒達に
好感さえ感じる。

自分の武器を作り上げ、
十分に発揮出来るタイミング

自分にはけして出来ないコトに、凄い事だと感心した。

そして、そんな女生徒にだらしなく笑っている、
顔見知りに軽蔑を感じた。

イライラする・・・

聞こえてくる声に怒りを覚え、
八つ当たりする様にカバンにチャツクを閉め、
手に持つと、早足で教室を出る。

早く、声の聞こえない所へ行きたかった。

教室と廊下な間で、溜息を落とす。

凄いとは思うけど、纏わり付いてくるよね・・
あの声と言葉・・・・・

同じ場所で2度目の溜息

さっさと帰ろ・・・

溜息に出しきれなかったモノが体に広がり、重くなり足を引きずる様に、
廊下を歩き出せば、



遠慮がちにかけられた声にゆっくりと振り返れば、
手を上げてにこやかに笑っている姿が見え、

「南君」

向かってくる人物の名を呼び、動かしてた足を止め次の言葉を待つ。

「千石は教室かなぁ?」

「まだ居るはずだよ」

毎日交わされる会話に、互いに苦笑しあった。

「毎日、ご苦労様」

労りの言葉を言えば、

「アイツ、迎えに行かないと、すぐサボるからな・・」

南の言葉の後に続いた溜息に、
つられる様に溜息を付く、

好きな事ぐらい、人に迷惑かけずにやろうよ・・・

この後、繰り広げられるであろう、
会話に何度目かの溜息を付いた。

あの、男は・・・

内に呟いた言葉に

「なんかゴメンな」

耳に入った言葉に、驚き、
溜息と同じ様に落ちていた視線を上げれば、
申し訳無さそうに苦笑しながら、後頭部を手をやり

「帰る所だったんだろ?
 それなのに、毎日、同じ用件で声かけちまってさ・・・」

作られている言葉の意味が解り

「そんな事ないよ!
 イヤなら、答えるだけ答えて帰ったりするから」

だから、気にしないで!

慌てながら、作り上げた言葉に手を勢い良く左右に振り
否定を表せば、

「それなら良いんだ」

笑顔に変わった事に安堵をすれば

「今日も頑張るか!」

腕まくりでもしそうな意気込みに、微笑み

「押しに負けちゃダメだよ」

止めていた足を、先程出たドアへと向かい歩き、
影から、南と千石のやり取りを傍聴する。

「千石!」

南からの呼びかけに

「やぁ、南くん」

独特な言い回しをする千石の声

「部活に行くぞ」

毎日変わらない言葉に、次に返る言葉と行動が解る。

毎日くり返される同じ言葉

同じがくり返されているのに、

今日に限って

イライラする・・・・・・・・・

返ってくる言葉に握りこぶしを作り、力が入る。

だから・・・・アンタは何様なの・・・

身体の熱が怒りに変わる。

言い包まれないように、必死に応戦をする南を
笑いながら返す千石

毎日見ている事なのに・・・・・

沸きあがる熱を押さえ込もうとする。

毎日の事じゃない。

色々言って、最後には部活に行ってるじゃない・・・

力を入れた握りこぶしを解きかけた、

その時、

「毎日、毎日、本当にマジメだねぇ、南くんは」
 
クスクスと笑いながらの揶揄に、押さえ込んだ熱が一気に上がり

「いい加減にしなよ!」

笑顔から驚いた表情へと変えた千石を見つめ、

「南君が、毎日、毎日、迎えにくるのは、キヨがすぐにサボるからでしょう!
 それをバカにするなら、きちんとサボらず部活に行きなさいよね!」

息をする事も忘れて、勢いで言葉を音にし続ける。

「そうやって、足を引っ張り続けて皆に迷惑ばかりかけてるんだったら、
 テニスなんて辞める事ね!
 そうしたら南君にもテニス部員の子達にも迷惑かけないですむし、
 キヨだって好きな事を出来るでしょう!」

雪崩れの様に紡がれた言葉に呆然と見ている事しか出来なかったのか、
手が空中で止めた南を視界の端に入れていたが、声をかけず早足で教室を後にした。

下駄で乱暴に靴を落とし、履きかえ、上靴を仕舞い学校から塾へと向かう。

やってしまった・・・

視線を下げ、力無く歩きながら学校での出来事を思い出す。

昔から、キヨの性格は解ってるのに・・・

後悔ばかりが溢れる。

なんであんなにイライラしてたんだろう?

自分の心に首を傾げ、通い慣れた建物内に足を進めた。

並べられた机は、学校の教室を思い出させ、溜め息を落とす。

いつもと同じ場所

他校の生徒達に混ざり、説明をする先生の声、
書かれてゆく文字を書き写し、数式を覚えてゆく。

怒鳴るような声に殺気すら感じさせる生徒達の後ろ姿。

受験生と言う呼び方に縛られ、
初めてとも言える競争の中にほうり込まれる。

1年と言う期限の中、どれだけ上へと上がって行くか・・・・

受かるか、落ちるか

笑うか、泣くか

そんな表現をされ、毎日の様に聞かされる言葉に、
焦りが生まれ、回りに敵対心すら感じだす。

そんな、異常とも言える心を持ちながらの授業を終えれば、
頭も体も重く、家に帰るのすらイヤに思え、

少し肌寒さを感じる中、夜空に向かって溜め息を吹き掛ける。

早く帰って勉強しなきゃ・・・

夕食が待っている我が家へと足を進めた。

幸い山吹は私立の為、受験に失敗したとしても、
そのまま高等部に上がれるからか、親の口煩さはない。

塾とは正反対の穏やかな雰囲気は、
唯一息抜きが出来る場所でもある。

今日のゴハンは、なんだろう?

空腹を訴える体を無理矢理動かし、早足で家へとたどり着き、
自室で制服を脱ぎ捨て部屋着に着替え、
ドタドタと足音を鳴らしキッチンへと入り、席に着く。

カウンター式のキッチンから出された、
ハンバーグにゴハンにワカメの味噌汁。

ありきたりなゴハンでも、ホッと一息入れ、美味しさを噛み締める。

他愛のない話しに花を咲かせ、息抜きをした後、
自室へて戻り、教科書、ノートを開く。

明日ある教科予習

今日習った教科の復習

そして、2年の時に習った教科の覚え直し。

数時間使い勉強をしていても集中力が無くなり、
視線をノートから離し、伸びをすれば、カバンから振動音が聞こえ、
重たい体を動かし、手に取れば、液晶に写し出された名前に溜め息をついた。

「もしもし・・」

気持ちを表した声は、低く、力無い作りにも

「やぁ、ちゃん」

気にも止めない、明るい声に、溜め息をついた。

「溜め息をつくと、幸せが逃げちゃうよ」

相手にも聞こえていたのか、
耳に入って来た言葉に再び溜め息をつけば、

「最近、溜め息が多いね」

聞こえて来た声に、驚き、返すハズだった
言葉が喉の奥でつかえた。

そうかも・・知れない・・・

「それに、疲れてるよね」

聞こえてくる言葉に、頷き、

そうかも・・

納得してしまう。

でも・・・

「毎日、毎日、キヨとの電話は疲れるし、
 溜め息も付きたくなるの」

確信をつかれ、返す言葉を言えなかった事が悔しくて、
恥ずかしくて、強めた言葉で返した。

今日の様に、怒っていても何も無かったかの様に
電話をかけて話すだけ話して切ってしまう。

何処から入手したのか、ケータイを持って初めて話した相手も、
メールを受けた相手もキヨだった。

「相変わらず、手厳しいなぁ」

言葉だけか、本心か、冗談か、区別しにくい声に苛立ちが募る。

「話しは、なに?」

刺のある言い方に、

「いやぁ、学校で話しをしてないから、話しをしようかと思って」

軽めに作られた音と言葉に溜め息をつけば、

「ほらほら、幸せが逃げちゃうんだよ」

ほっといて欲しい・・

心の中で声には出さない呟きが零れる。

「で、用事はなに?」

無かったら切るよ。

低く音を作り、怒りの感情を出せば

「待って、待って!
 明日、都大会があるんだ。で、」

「行かない」

終わる前に、返事を返せば、苦笑しながら

「そっかぁ・・残念だなぁ」

感情の解らない声に、ごまかされ更に苛立ち

「それだけ?」

速めて紡ぐ言葉に、

「後、清純くんによる、ちゃんの、お悩み相談」

わざとらしく明るめに言われ言葉に

「結構です」

切り捨てる様にハッキリと返せば、

ちゃん、ヒドイ!」

ふざけた声色に、何が切れ

「いい加減にして!
 キヨのおふざけに付き合ってるヒマはないの。
 話をしたいなら違う子にして」

まくし立てた言葉の後、弾んだ息を整えて入れば、

「そんなつもりは無いんだけど・・・
 ゴメンね、ちゃん」

いつもの様にはぐらかす返事が帰ってくるとの思いとは
反対の真剣な声に、

「べつに・・・」

驚き、怒った事に罪悪感を感じ、
口ごもりながら、小さな声で返事を返す。

いつも真面目ならいいのに・・・

自分勝手な思いに、溜め息を落とせば、

「最近、思い詰めてるみたいだから・・・・
 心配なんだよ。はいつも溜め込んじゃうから」

優しく作られる音に目を閉じる、

「話して楽になる事だってあるんだよ?
 からしたら、俺なんて頼りないかもしれないけど、
 でも、聞く事は出来るよ」

柔らかく耳に入ってくる声に、まつげが濡れ重くなる。

「そんな・・こと・ない・」

震える喉に力を入れ、声をだすが、
震えるは隠れる事はなく、外へ出た。

?」

不思議そうに名前を呼ぶ声に、
瞼に集まった滴が落ちそうになるのを堪える。

「キヨは頼りになるよ。
 私なんかより・・・」

作っていく言葉の震えるは止まらず、伝えたい気持ちが、
違う気持ちへと変わる。


 なにかあった?今から・・・」

心配し、作られる言葉が解り、

「来ないで!」

統べてを、振り切る様に強い声で告げ続ける。

「だいじょうぶ・・・
 大丈夫だから・・・お願いだから来ないで・・・」

強がっていると解っていても、
弱ってしまった心を必死に言い聞かせる。

・・・」

「もう少し頑張らせて・・・」

力無く呟かれた言葉に

「解った。
 でも、無理しちゃダメだよ」

解った?

子供に言い聞かせる様に少し強めに言われ、

「解ってる」

口元を少し上げ、緩やかに微笑む。

「俺が見て、『もうダメだ』って思ったら、
 無理矢理聞いちゃうからね」

「はい、はい」

「本当に無理矢理聞くからね。
 逃げても、追い掛けて聞くよ」

「しつこく、聞いてくるのね」

重く、弱くなっていた気持ちが、少しずつ、軽くなってゆく。

「南くんに隠れてもダメだからね」

「そんな事しないわよ。
 それより、なんで、南君が出てくるのよ?」

強気な言葉も生まれてる。

「最近、焼けるぐらい仲が良いから」

「なに、それ?」

「昨日、廊下で楽しそうに話してたでしょ」

「話しは、してたけど」

「何を話してたの?」

問われ、思い出す記憶はキヨの言う楽しげではなく、
ただの世間話と、千石清純の
性格と行動についての、グチに近かったが

「たいした事じゃないよ」

何も思わず、答を返せば

「俺に言えないような、話しをしてたんだね!」

千石君ショック!

ワザとらしく作られた言葉に、

「あ〜はいはい。
 ならソウ言う事にしておいて」

適当に遇い、流してゆく。

いつもと変わらない会話のリズムが広がる。

軽くなる心、表情には笑みさえ浮かび、憎まれ口すら出てくる。

「ふ〜ん、否定しないんだね」

ふざけた感じから、固くした声に、眉間にシワを寄せ

「引っ掛かる言い方ね」

同じ様な声で返せば

「別に、なんでもないよ」

にっこりと笑いながら言われたリズムに、
納得が行かないが、

「まぁ、いいよ」

無理矢理納得させ、出された話題に合図を打つ。

1時間が過ぎる頃、

「じゃ、明日頑張ってくるよ」

「真面目にやんなさいよ」

独特の軽い言葉に、固い声で言葉を返し電話を切った。

試合ねぇ・・・

机に置いたケータイを眺め、聞こえた言葉を思いだし、明日の予定を思い出す。

1日、勉強

晴天であるだろう空を窓から見上げ、自室で一人空しく勉強をしている
自分を想像し、額を机の上に乗せた。

味気無い青春だなぁ・・・

空しさを感じるが、受験を選んだのは自分だと、考え直し、
再び参考書を視界に入る為、顔を上げ、ペンを握る手に力を込める。

来年の春には思いきり、遊ぶぞ!

そんな、出来るか出来ないかの未来を楽しみに、勉強へと集中した。

いつも通りの過ごし方に、時間が過ぎていく。

朝が来て、時間が来たら学校に行き、放課後は塾に通い、
終われば家に帰り自室で勉強をする。

繰り返し、するコトに同じと言えないのは、
放課後、南君がキヨを迎えにこなくなった。

キヨが放課後のおしゃべりをしなくなった。

聞こえてくる言葉の中に、

キヨがテニス部に出なくなった。

驚き、耳に入った言葉に理解が出来ず、呆然とした。

テニス部に出てない?

キヨが?

繰り返される疑問に、答が出ないまま、
気が付けば職員室の担任の前に立っていた。

決めた以上はしっかりしろ。

言われる言葉が通り抜けて行く。

「すみませんでした」

言葉と共に礼をし、職員室を出て、遅れての塾に入っていく。

席に付き、今日何回目かの溜め息

キヨの言葉を信じる訳じゃないけど、本当に幸せが逃げそう・・・

両手では足りないぐらいの溜め息の数に、
また、溜め息をつく。

キヨの事ばかり気にして、気がする・・・

心の中で呟いた言葉に溜め息がこぼれる。

なんだかイライラしてきた・・・・

沸々と沸き上がる気持ちに押さえ、急ぎ家路を急ぐ中、
カバンに入れていたケータイの振動がカバンから手に伝わり、
慌て、液晶部分を見れば、メール受信の表示があり、
ボタン操作し、文章を見、一瞬眉間に皺を寄せるが、
ケータイを握り走りだした。

焦る気持ちと動かない足

少しは走っただけで上がる息

遅くなった足と無くなった体力にイラ立ちを感じ、
舌打ちをしながらも、必死に走る。

毎日歩く道を外れ、小さな公園に入れば、
ジャングルジムの上に、白色が見え

「キヨ!」

顔を確認することも無く、読んだ名前に

「やぁ、ちゃん」

片手を挙げ、にっこりと微笑み、
膝に手を付き、息苦しそうに肩を動かしている

「ダメだよ、
 女の子なんだから身嗜みはちゃんとしないと」

子供に言い聞かせる様な言い方に、

「私の事なんてどうでもいいのよ!」
 
大声で問われた言葉に、

「心配してくれるの?」

真剣な表情で相手に聞き返せば、

「当たり前でしょう!
 いきなり『公園で待ってる』なんてメールしてきて、
 心配しない方がオカシイでしょうが!」

静かな中、の声が闇を裂き響く。

は、優しいよね。
 それに強い」

寂しげに微笑む表情と、落とされた音に
眉を上げ、

「何が言いたいの?」

遠まわしの言葉に、苛立ちが出る。

「俺よりも、優しくて、強いよね」

子供の様にジャングルジムのてっぺんに腰掛、
寂しそうに、下にいるを見下ろせば、

「だから?」

腰に手を当て、仁王立ちをした姿に
内心微笑む。

いつもそうだ・・・
冷たく返されても、怒っていても・・・・

「あのね、キヨ」

何時まで立っても、次の言葉を返さないキヨに
呼びかけ、

「優しいとか、強いとか、そんなの人それぞれの取り方でしよう。
 私からすれば、キヨの方が優しいし、強いよ」

腰から手を離し、声と同じ様に真剣な視線がキヨに向けられる。

その中に心配し、

なにがあったの?

視線で問いかけてくる。

まいった。

正直にソウ思った。

敗北の意味と情けなさを吐き出すために、
溜息を付き、

「試合、負けたんだ」

2試合も・・・

カラ笑いを含んだ言葉に、
は一瞬目を見開くが、直ぐに、睨む様に目を細め、

「後悔してるの?」

変わらぬ声で問えば

「うん」

頷く。

「後悔したままなの?」

また、問えば

「違うよ」

同じ音で答えが返ってきた。
だから、三度問う

「テニス、続けるの?」

「好きだからね」

「なら、やるしかないね」

「そうだね」

問われ、答える。

繰り返されるリズムに、笑みが生まれ

「やっぱり、は優しいし、強いよ」

問われる前に、言葉を返せば

「そんな事無いよ」

苦笑する。

「外部受験、するんだってね」

照れ笑いにも見える笑みを見ながら、
今度はキヨから問いかければ、

「ダレに聞いたの?」

人差し指を唇に当て、片目を閉じ、

「ないしょ」

南くんから聞いて、
表に出せない程の寂しさと苛立ちを感じたとは言えない・・・

いつもの軽いリズムで答え、
もう1度、問いかける。

「どうして、外部受験をするの?」

聞かれる事が解っていたのか、
腰に手を当て、

「教えない」

キヨに見合う程の頑張りを見せたくて、
意地になって、受験をするなんて言えない・・・

いつもの、強気のリズムで返す。

いつも、

南くんと、

周りの女の子達と、

楽しそうに笑っていた姿を見て、

嫉妬していたなんて、

絶対に言えない・・・・

だから、

軽い言葉で

キツイ言葉で

本音を隠す・・・

大切だから・・・・

大事な人だから、

醜い部分を見せたくない・・・

嫌われたくないから・・・

一瞬より長く
1分より短い無音の後、

「お腹が空いたから帰る」

言葉を共にキヨに背を向け、歩き出せば

「送ってくって!」

慌て、飛び降り、小走りにの元へ走っていく。





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                千石 清純

                      夢小説を書いていて最長記録を更新しました・・・
                      それだけ長い話です・・・だらだらと・・・・

                      話しは『キヨ離れをする』だったんですが、
                      こうなってしまいました・・・
                      関係もハッキリさせるつもりだったのに・・・
                      まだまだです。
                                                              2005 5 18